伝統文化の継承
8年ぶりに浦安三社例大祭が開催されます。原則4年ごとに開催されていましたが、令和2年はコロナ禍で中止となりました。神輿(みこし)渡御は100年前から始まったようで、漁師町だったころの浦安を今に伝える文化遺産であるといえます。
浦安は江戸川の最下流、東京湾に面しているということから、高潮などの災害により何度も壊滅的な被害を受けていました。そのため、文化財や歴史的資料があまり残っていません。
国指定の文化財はありませんが、千葉県指定の文化財は、有形文化財が「宝城院庚申塔」「旧大塚家住宅」「三軒長屋」の3つ、有形民俗文化財が「船大工道具」、無形民俗文化財が「お洒落(しゃらく)踊り」となっています。
有形文化財については、適切に保存していくことで後世に伝え残していきますが、無形文化財はその継承が大きな課題となっています。
お洒落踊りは、幕末から明治、大正期にかけて流行した手踊りで、昭和初期までは行事の際や漁に出られない日などに踊られていたものです。踊り手が競って着飾りお洒落(しゃれ)して踊ったことから「お洒落踊り」と呼ばれるようになったようです。
第2次世界大戦後に一度は廃れかけましたが、昭和47(1972)年に保存会が結成され、踊りを今に伝えています。しかし、基本は口伝であることから、後継者の育成などが課題となっています。保存会では小学校などでの出前講座や郷土博物館での公開練習を行い、お洒落踊りの普及と後継者育成の活動をしており、少しずつではありますが、その成果も出てきています。
伝統文化は歴史的価値とともに、将来につながる貴重な財産です。一度失うと取り戻すことは容易ではありません。だからこそ、今を生きる私たちが後世に継承していかなければならないと考えます。
浦安市長 内田悦嗣
(広報うらやすナンバー1243 2024年6月1日号に掲載)
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