リュウノヒゲモをご存じですか
市内の中心を流れる境川は、浦安のシンボルとして市民に親しまれています。
この境川の空間を活用する計画となる「かわまちづくり計画」が、8月に国土交通省の定めるかわまちづくり支援制度に登録されました。今後、県と連携しながら国の支援を受け、市民生活に潤いを与える場、まちのにぎわいを創出する場として整備してまいります。
境川は、「憩いの場」「治水」という皆さんが知っている機能のほかに、実は「生態系の維持」という機能を持っています。
「リュウノヒゲモ」という水生植物をご存じでしょうか。「リュウノヒゲモ」は、その名が示すとおり、葉の形が全体的に細長く「竜のひげ」に似ていることから名付けられた多年生の水生植物で、淡水や汽水域の完全水面下で成長します。環境省のレッドリストで、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行するおそれのある「準絶滅危惧(NT)」に指定されており、千葉県レッドリストにおいても要保護生物(Cランク)に指定されているとても希少な植物です。千葉県内では数カ所でしか確認されておらず、その1カ所が境川の東水門から西水門間となっています。
平成17年(2005年)に初めて生息が確認されましたが、令和4年の調査では、繁茂の範囲の拡大が見られました。専門家は、その要因として、境川の底がコンクリートではないこと、比較的浅く太陽光が届きやすいこと、下水の流入が少ないことなどを挙げ、生育のための条件が整っていると述べています。また、周辺が住宅地である河川に残っていることはとても貴重なことであるとの指摘もあります。
「リュウノヒゲモ」のような自然をどのように残していくのか、水辺の整備、活用にあたっては、境川の持っている機能をよく考えながら進めてまいります。
浦安市長 内田悦嗣
(広報うらやすナンバー1251 2024年10月1日号に掲載)
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