所得の種類と計算方法
所得の種類と各所得金額の計算方法は、以下のとおりです。
事業所得
農業、漁業、製造業、小売業、サービス業などの事業から生じる所得をいいます。医師や保険会社の外交員などとして得た所得も事業所得になります。
事業所得金額=収入金額-必要経費
不動産所得
建物や土地などの不動産から生じる所得をいいます。地代や家賃などが当てはまります。
不動産所得金額=収入金額-必要経費
利子所得
利子所得公社債・預貯金などの利子として得た所得をいいます。
利子所得金額=収入金額
配当所得
株式や出資の配当などとして得た所得をいいます。
配当所得=収入金額-元本取得に要した負債の利子
給与所得
給料、賃金、賞与などとして得た所得をいいます。
給与所得金額=収入金額-給与所得控除額(下記「給与所得算出表」参照)
給与所得算出表
給与等の収入金額 | 給与所得控除後の給与等の金額 | |
---|---|---|
550,999円まで | 0円 | |
551,000円から1,618,999円まで | 給与等の収入金額-550,000円 | |
1,619,000円から1,619,999円まで | 1,069,000円 | |
1,620,000円から1,621,999円まで | 1,070,000円 | |
1,622,000円から1,623,999円まで | 1,072,000円 | |
1,624,000円から1,627,999円まで | 1,074,000円 | |
1,628,000円から1,799,999円まで | 給与等の収入金額を「4」で割って千円未満を切り捨てた額×2.4+100,000円 | |
1,800,000円から3,599,999円まで | 給与等の収入金額を「4」で割って千円未満を切り捨てた額×2.8-80,000円 | |
3,600,000円から6,599,999円まで | 給与等の収入金額を「4」で割って千円未満を切り捨てた額×3.2-440,000円 | |
6,600,000円から8,499,999円まで | 給与等の収入金額×0.9-1,100,000円 | |
8,500,000円以上 | 給与等の収入金額-1,950,000円 |
給与等の収入金額 | 給与所得控除後の給与等の金額 | |
---|---|---|
650,999円まで | 0円 | |
651,000円から1,618,999円まで | 給与等の収入金額-650,000円 | |
1,619,000円から1,619,999円まで | 969,000円 | |
1,620,000円から1,621,999円まで | 970,000円 | |
1,622,000円から1,623,999円まで | 972,000円 | |
1,624,000円から1,627,999円まで | 974,000円 | |
1,628,000円から1,799,999円まで | 給与等の収入金額を「4」で割って千円未満を切り捨てた額×2.4 | |
1,800,000円から3,599,999円まで | 給与等の収入金額を「4」で割って千円未満を切り捨てた額×2.8-180,000円 | |
3,600,000円から6,599,999円まで | 給与等の収入金額を「4」で割って千円未満を切り捨てた額×3.2-540,000円 | |
6,600,000円から9,999,999円まで | 給与等の収入金額×0.9-1,200,000円 | |
10,000,000円以上 | 給与等の収入金額-2,200,000円 |
所得金額調整控除
令和3年度(令和2年分)以降、下記に該当する場合は、給与所得から所得金額調整控除が控除されます。
給与などの収入金額が850万円を超える方
次の1から3のいずれかに該当する場合(租税特別措置法第41条の3の3第1項)
- 特別障害者に該当する
- 年齢23歳未満の扶養親族を有する
- 特別障害者である同一生計配偶者もしくは扶養親族を有する
所得金額調整控除額=(給与等の収入額(1,000万円を超える場合は1,000万円)-850万円)×10%
給与所得と公的年金所得の両方がある方
給与所得控除額の給与所得と、公的年金などに係る雑所得があり、給与所得控除後の給与等の金額と公的年金等に係る雑所得の金額合計額が10万円を超える場合(租税特別措置法第41条の3の3第2項)
所得金額調整控除額=(給与所得控除後の給与等の金額(10万円を超える場合は10万円)+公的年金等に係る雑所得の金額(10万円を超える場合は10万円))-10万円
注記:1の控除がある場合は、1の控除を使用した後の金額から控除します
雑所得
公的年金
国民年金・厚生年金などによる所得をいいます。
所得金額=収入金額-公的年金等の控除額(下記「公的年金等に係る雑所得の速算表」参照)
業務
主に副業によって得た所得をいいます。例えば、講演料、原稿料、シェアリングエコノミーによる報酬などが当てはまります。
所得金額=収入金額-必要経費
その他
雑所得のうち上記以外の所得です。
所得金額=収入金額-必要経費
公的年金等に係る雑所得の速算表
令和3年度(令和2年分)以降
公的年金等の収入額(A) | 公的年金等に係る雑所得の金額 | ||
---|---|---|---|
公的年金等雑所得以外に係る合計所得金額が1,000万円以下 | 公的年金等雑所得以外に係る合計所得金額が1,000万円超2,000万円以下 | 公的年金等雑所得以外に係る合計所得金額が2,000万円超 | |
3,300,000円まで | A-1,100,000円 | A-1,000,000円 | A-900,000円 |
3,300,001円から4,100,000円まで | A×0.75-275,000円 | A×0.75-175,000円 | A×0.75-75,000円 |
4,100,001円から7,700,000円まで | A×0.85-685,000円 | A×0.85-585,000円 | A×0.85-485,000円 |
7,700,001円から10,000,000円まで | A×0.95-1,455,000円 | A×0.95-1,355,000円 | A×0.95-1,255,000円 |
10,000,001円以上 | A-1,955,000円 | A-1,855,000円 | A-1,755,000円 |
公的年金等の収入額(A) | 公的年金等に係る雑所得の金額 | ||
---|---|---|---|
公的年金等雑所得以外に係る合計所得金額が1,000万円以下 | 公的年金等雑所得以外に係る合計所得金額が1,000万円超2,000万円以下 | 公的年金等雑所得以外に係る合計所得金額が2,000万円超 | |
1,300,000円まで | A-600,000円 | A-500,000円 | A-400,000円 |
1,300,001円から4,100,000円まで | A×0.75-275,000円 | A×0.75-175,000円 | A×0.75-75,000円 |
4,100,001円から7,700,000円まで | A×0.85-685,000円 | A×0.85-585,000円 | A×0.85-485,000円 |
7,700,001円から10,000,000円まで | A×0.95-1,455,000円 | A×0.95-1,355,000円 | A×0.95-1,255,000円 |
10,000,001円以上 | A-1,955,000円 | A-1,855,000円 | A-1,755,000円 |
令和2年度(令和元年・平成31年分)以前
公的年金等の収入額(A) | 公的年金等に係る雑所得の金額 |
---|---|
1,200,000円まで | 0円 |
1,200,001円から3,299,999円まで | A-1,200,000円 |
3,300,000円から4,099,999円まで | A×0.75-375,000円 |
4,100,000円から7,699,999円まで | A×0.85-785,000円 |
7,700,000円以上 | A×0.95-1,555,000円 |
公的年金等の収入額(A) | 公的年金等に係る雑所得の金額 |
---|---|
700,000円まで | 0円 |
700,001円から1,299,999円まで | A-700,000円 |
1,300,000円から4,099,999円まで | A×0.75-375,000円 |
4,100,000円から7,699,999円まで | A×0.85-785,000円 |
7,700,000円以上 | A×0.95-1,555,000円 |
譲渡所得
車両、骨董品、ゴルフ会員権・株以外の資産の譲渡により得た所得をいいます。
譲渡所得金額=収入金額-取得および譲渡にかかった経費-特別控除額(限度額:50万円)
- 資産のうち、保有期間が5年以内のものを譲渡して得た所得を「短期譲渡所得」、5年を超えるものを譲渡して得た所得を「長期譲渡所得」といいます。
長期譲渡所得については、所得金額の2分の1相当額が税額計算の対象です。 - 平成26年4月1日以後に行ったゴルフ会員権の譲渡損失は、他の所得と損益通算することはできません。
一時所得
懸賞当選金、保険の満期返戻金による所得をいいます。
一時所得金額=収入金額-必要経費-特別控除額(限度額:50万円)× 2分の1
退職所得
退職金、退職手当などによる所得をいいます。
勤続年数が5年以上
退職所得金額=(収入金額-退職所得控除額)×2分の1
勤続年数が5年以内
退職所得金額=(収入金額-退職所得控除額)
(ただし、法人役員等(注記)以外の方は、収入金額が退職所得控除額+300万円分までは、2分の1を乗じる)
注記:法人役員等とは「国会議員および地方議会議員」「国家公務および地方公務員」「法人税法上の役員(取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事および清算人以外の者で法人経営に従事している一定の者」をさします
山林所得
山林の伐採や立木の譲渡により得た所得をいいます。
山林所得金額=収入金額-必要経費-特別控除額(限度額:50万円)
土地・建物の譲渡所得
土地や建物などの譲渡、借地権の譲渡により得た所得をいいます。
譲渡所得金額=収入金額-取得および譲渡経費-特別控除額
保有期間が5年以内の資産を譲渡して得た所得を「短期譲渡所得」、保有期間が5年を超える資産を譲渡して得た所得を「長期譲渡所得」といいます。特別控除額は、保有期間や譲渡先などによって異なります。
株式等の譲渡所得
株式等を譲渡して得た所得をいいます。
譲渡所得金額=収入金額-取得経費および譲渡経費
先物取引に係る雑所得
先物取引によって得た事業所得および雑所得のことです。
所得金額=収入金額-必要経費
非課税となる所得
下記の所得については、住民税がかかりません。
- 特別定額給付金
- 遺族年金
- 障害年金
- 失業給付金
- 労災給付金
- 健康保険から受ける給付金(傷病手当、出産育児一時金)
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