5種混合(百日せき・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオ・ヒブ)
ジフテリア
ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。症状は高熱、のどの痛み、犬吠様のせき、嘔吐などで偽膜と呼ばれる膜ができて窒息死することもあります。発病後2週間から3週間後には菌の出す毒素によって心筋障害や神経まひを起すことがあるため注意が必要です。
百日せき
百日せき菌の飛沫感染で起こります。普通のかぜのような症状ではじまり、続いてせきがひどくなり、顔を真っ赤にして連続的にせき込むようになります。せきのあと急に息を吸い込むので、笛を吹くような音が出ます。熱は通常出ません。乳幼児はせきで呼吸ができず、くちびるが青くなったり(チアノーゼ)、けいれんが起きる、あるいは突然呼吸がとまってしまうことなどがあります。肺炎や脳症などの重い合併症を起こしやすく、新生児や乳児では命を落とすこともあります。
破傷風
ヒトからヒトへ感染するのではなく、土の中にいる菌が、傷口からヒトの体内へ入ることによって感染します。菌が体の中で増えると、菌の出す毒素のために、筋肉の強直性けいれんを起こします。最初は口が開かなくなるなどの症状が気付かれ、やがて全身の強直性けいれんを起こすようになり、治療が遅れると死に至ることもある病気です。
ポリオ(急性灰白髄炎)
「小児まひ」と呼ばれ、我が国でも1960年代前半までは流行を繰り返していました。口から入ったポリオウイルスは咽頭や小腸の細胞で増殖します。小腸の細胞ではウイルスは4日間から35日間(平均7日間から14日間)増殖するといわれています。増殖したウイルスは便中に排泄され、再びヒトの口に入り抵抗力(免疫)をもっていないヒトの腸内で増殖し、ヒトからヒトへ感染します。感染すると100人中5人から10人は、かぜのような症状があり、発熱を認め、続いて頭痛、嘔吐があらわれます。また、感染した人の中で、約1,000人から2,000人に1人の割合で手足のまひを起します。一部の人には、そのまひが永久に残ります。まひ症状が進行し、呼吸困難により死亡することもあります。
ヒブ(Hib:ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)
インフルエンザ菌b型(Hib)は、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎などの表在性感染症のほか、髄膜炎、敗血症、肺炎などの重篤な深部(全身)感染症(侵襲性感染症ともいいます)を起こす、乳幼児にとって問題となる病原細菌です。Hibによる髄膜炎は2010年以前は、5歳未満人口10万人対7.1人から8.3人とされ、年間インフルエンザ菌は7種類に分類されますが、重症例は主にb型のため、ワクチンとしてこのb型が使われています。
- 対象
- 生後2カ月から7歳6カ月になるまで
- 標準的な受け方
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- 1期初回接種:20日から56日間隔で3回
- 1期追加接種:1期初回3回接種終了後6カ月から18カ月の間に1回
- 接種方式
- 個別接種
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