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広報うらやす平成16年1月15日号

ページID K1000640 更新日  平成27年2月3日  印刷

緊急報告 市に重大な影響も!羽田空港再拡張事業

平成16年度から羽田空港再拡張事業が始まる予定です。この事業によって、羽田空港の4番目の滑走路として、D滑走路が新しく建設されます。このD滑走路ができると、飛行ルートの設定によっては、千葉県、特に浦安市の上空を通過することが想定され、騒音による環境の悪化が懸念されます。
事業を行う国土交通省からは、具体的な飛行ルートの提示もなく、浦安市では騒音の影響が最も心配される地元に何らの情報提供もないまま、計画を進めるのは、問題だと考えています。
そこで、昨年の第4回定例市議会の最終日に松崎市長はこの問題の行政報告をしました。今回は、その概要と市の対応などをお知らせします。

環境保全課

羽田空港の再拡張事業

羽田空港は、現在、年間27万5000回の航空機の離着陸があります。国土交通省では、首都圏の航空需要の増大に対応するため、第4の滑走路を整備し、これを年間3万回の国際線の受け入れを含む現在の約1.5倍の40万7000回の離着陸に対応できるよう、拡張しようとしています。

羽田空港再拡張事業のこれまでの流れ

平成12年9月
国土交通省航空局で「首都圏第3空港調査検討会」を開催し、羽田、成田に次ぐ首都圏第3空港の整備について広く意見を聞き、同時に、羽田空港の再拡張案と公募により提案された候補を検討。その結果、羽田空港の再拡張案を優先して推進することに決定。
平成13年8月
都市再生プロジェクト(第二次決定)で、「国際化を視野に入れつつ東京国際空港(羽田空港)の再拡張に早急に着手し、4本目の滑走路を整備する」ことに決定。
平成13年12月
国土交通省は新たな滑走路を、現在のB滑走路と平行に設けることに決定。
平成14年6月
「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」で、「財源について関係府省で見通しをつけた上で、国土交通省は、羽田空港を再拡張し、2000年代後半までに国際定期便の就航を図る」ことが閣議決定。
平成15年1月~現在
羽田空港の再拡張事業の円滑な推進を図ることを目的として、「羽田空港再拡張事業に関する協議会」【国土交通大臣と首都圏8都県市(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市)の知事と市長)】を設置。これまでに3回開催。
千葉県は、羽田空港再拡張は、「騒音問題などを首都圏全体で共有し、納得のいく分担」を図ることが前提条件だと一貫して主張。
平成15年6月
千葉県議会で「羽田空港再拡張後の騒音等を首都圏で共有する飛行経路の設定を求める意見書」を全会一致で決議。
平成15年8月
千葉県と浦安市を含む関係10市が情報を共有し、連携して対応していくため「羽田空港再拡張事業に係る県・市連絡会議」を設置。第1回会議を開催。
平成15年12月
千葉県議会全員協議会を開催。国土交通省航空局の大久保管理課長が羽田空港再拡張事業について説明。県議会各派が意見を出し合う。
平成15年12月
国土交通大臣と財務大臣との来年度予算の事前折衝で、羽田空港に4本目の滑走路を造る再拡張事業の平成16年度着工が正式に決定。滑走路整備事業費は6900億円で、平成21年に完成する予定。これは、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市が12月12日に1300億円を国に無利子で貸し付けることを決定したことを受け、財務省が条件としていた財源のめどが立ったので事業費を計上することとなったもの(平成15年12月19日付け日本経済新聞朝刊より)。

市の対応

羽田空港再拡張事業の問題点は、現時点で飛行ルートが明示されていないこと、そして、直接影響を受ける地元自治体に何ら説明もないまま、国は、来年度に事業を行う予算を計上し、平成16年度拡張工事が着工される見込みになっていることです。
市では、羽田空港再拡張事業の情報を得るため、昨年12月22日に千葉県総合企画部加藤理事から、状況の説明を受けました。
また、この問題については、できるだけ早く地元に情報を開示するよう、国土交通省に市川市・船橋市と連名で12月26日付けで要望書を提出しました。そして、1月5日に市環境部に専従職員を置いた「羽田空港騒音問題対策室」を設置し、航空機騒音の調査や関係自治体との連絡調整、国土交通省への働きかけなど、具体的な活動に取り組み始めました。
さらに、1月8日には、市議会全員協議会を開催し、内容を説明し、協議を行いました。
今後は、千葉県はもとより、関係自治体、市議会、市民の皆さんにも協力を得ながら、市の騒音による環境の悪化の懸念を払拭する対策を一緒に考えていきたいと思います。
なお、この問題について詳しくは、広報うらやす特集号で、お知らせする予定です。

羽田空港再拡張事業に伴う浦安市が予想する着陸航路(南風のとき)

羽田空港再拡張事業に伴う浦安市が予想する着陸航路

この予想コースは、国土交通省の資料を基に、すでにある滑走路の使用状況などから市が想定したものです。
D滑走路に降下角度3度で着陸することを前提にしています。
また、この飛行コースは、天候不良の南風の気象状況でのものです。

市議会で松崎市長が行った行政報告

羽田空港再拡張問題に関する行政報告をさせていただきます。
この羽田空港再拡張問題につきまして、昨日、県総合企画部加藤勝理事が来庁し、状況報告を受けたところです。
千葉県知事は、この問題については、騒音で最も影響が懸念される千葉県の意向を踏まえることなく、国が東京都、神奈川県、川崎市などと話し合いを進めていますが、千葉県は多勢に無勢の状態であり、強く危機感を感じているとのことでございます。
この羽田空港再拡張問題について、千葉県は、本年1月に設置された国土交通省と八都県市からなる「羽田空港再拡張事業に関する協議会」におきまして、「騒音問題等を首都圏全体で共有し、納得のいく分担」を図ることが前提条件であると、一貫して主張してきているところです。
また、県議会におきましても、6月に「羽田空港再拡張後の騒音等を首都圏で共有する飛行経路の設定を求める意見書」を全会一致で決議し、同様の立場を表明しております。
さらに、12月16日には、国土交通省からの情況説明が、県議会の全員協議会において行われたところです。
市は、8月5日に開催した、千葉県と、本市を含む県内の東京湾岸10市と協議する「羽田再拡張事業に係る県・市連絡会議」以降は、新聞報道での情報を知るだけであったことから、県に対し、速やかに地元市に知り得た情報を的確に開示するよう要望したところでございます。
この問題は、羽田空港の再拡張に伴う、D滑走路の延長線が、本市の舞浜上空から入船上空に向けて完全に市を縦断している航路となっているところです。
また、高度も推定では、舞浜上空約2000フィート、これは約600メートルと、かなりの低空です。これはまさしく、市民の生活を脅かす騒音による環境の悪化が予想されるところです。
なお、同じく、B滑走路の延長上にある江戸川区では、昭和46年7月、江戸川区、そして住民が、共同で、騒音に対して国を提訴するまでの事件となっています。
このようなことから、直接影響を受ける本市も県と同様に強い危機感をもっており、県と協同歩調をとって対処していきたいと考えております。このため、具体的な方針を至急詰める必要があり、専門的な専従職員の配置を含めて、組織的な取り組みを検討していきたいと考えております。
また、市議会や市民に対する情報の提供、また、具体的な抗議に向け、全市一体的な組織づくりを行う考えでございます。
さらに、昨日、前国土交通省航空局長の岩村審議官に対しまして、地元無視の国の姿勢に対して強く抗議をするとともに、速やかに飛行ルートの明示とともに、地元市である本市への説明を強く要求したところでございます。
市議会におかれましても、羽田空港再拡張によって、本市における騒音被害が増大し、市民生活に非常に大きな影響を与えるという共通認識の下、全市が一体となって、この問題に取り組んでいくための、ご支援とご協力をお願い申し上げます。
平成15年12月19日

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このページに関するお問い合わせ

環境保全課
〒279-8501 千葉県浦安市猫実一丁目1番1号(市役所6階)
電話:047-352-6482
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。



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