地下貯蔵タンクの流出防止対策
危険物施設の老朽化などによる腐食劣化が危険物流出事故の大きな要因になっていることを踏まえ、地下貯蔵タンクの流出事故防止対策についての法令改正が、平成22年6月28日に公布され、平成23年2月1日から施行されています。
この改正は、地下貯蔵タンクのうち直接埋設された鋼製一重殻タンクで、設置年数、塗覆装の種類および設計板厚が一定の要件を満たすものを「腐食のおそれが特に高いタンク」または「腐食のおそれの高い地下貯蔵タンク」に区分し、当該区分に応じて、内面の腐食を防止するためのコーティングなどの措置を講ずることとしたものです。
注記:改正の対象になるのは、地盤面下に直接埋設された鋼製一重殻のタンクで、タンク室に設置されたもの、鋼製二重殻タンク(SSタンク)、鋼製強化プラスチック製二重殻タンク(SFタンク)および強化プラスチック製二重殻タンク(FFタンク)は、改正の対象から除かれます。
規制の対象になる地下貯蔵タンクの区分
地下貯蔵タンクの流出事故防止対策を講ずる必要のあるタンクは、地盤面下に直接埋設された鋼製一重殻の地下貯蔵タンクのうち次のとおりです。
- 設置年数とは、当該地下貯蔵タンクの設置時の許可に係る完成検査済証の交付年月日を起算日とした年数をいう。
- 設計板厚とは、当該地下貯蔵タンクの設置時の板厚をいう。
腐食のおそれが特に高い地下貯蔵タンク
設置年数:50年以上
タンク外面の塗覆装の種類:アスファルト
設計板厚:すべての設計板厚
タンク外面の塗覆装の種類:モルタル
設計板厚:8.0ミリメートル未満
タンク外面の塗覆装の種類:エポキシ樹脂またはタールエポキシ樹脂
設計板厚:6.0ミリメートル未満
タンク外面の塗覆装の種類:強化プラスチック
設計板厚:4.5ミリメートル未満
設置年数:40年以上50年未満
タンク外面の塗覆装の種類:アスファルト:4.5ミリメートル未満
腐食のおそれが特に高い地下貯蔵タンクに講ずべき措置
内面ライニングまたは電気防食
腐食のおそれが高い地下貯蔵タンク
設置年数:50年以上
タンク外面の塗覆装の種類:モルタル
設計板厚:8.0ミリメートル以上
タンク外面の塗覆装の種類:エポキシ樹脂またはタールエポキシ樹脂
設計板厚:6.0ミリメートル以上
タンク外面の塗覆装の種類:強化プラスチック
設計板厚:4.5ミリメートル以上12.0ミリメートル未満
設置年数:40年以上50年未満
タンク外面の塗覆装の種類:アスファルト
設計板厚:4.5ミリメートル以上
タンク外面の塗覆装の種類:モルタル
6.0ミリメートル未満
タンク外面の塗覆装の種類:エポキシ樹脂またはタールエポキシ樹脂
設計板厚:4.5ミリメートル未満
タンク外面の塗覆装の種類:強化プラスチック
設計板厚:4.5ミリメートル未満
設置年数:30年以上40年未満
タンク外面の塗覆装の種類:アスファルト
設計板厚:6.0ミリメートル未満
タンク外面の塗覆装の種類:モルタル
設計板厚:4.5ミリメートル未満
設置年数:20年以上30年未満
タンク外面の塗覆装の種類:アスファルト
設計板厚:4.5ミリメートル未満
腐食のおそれが高い地下貯蔵タンクに講ずべき措置
内面ライニングもしくは電気防食または危険物の漏れを検知することができる常時監視装置の設置
講ずべき措置の概要
FRPコーティング
地下貯蔵タンクの腐食により生じた欠損を、タンクの内面にFRP形成することにより補うもの。ただし、タンクの状態により(腐食が著しく進んでいる場合など)、消防法に適合しない場合は、内面コーティングが施工できないだけでなく、タンクの使用もできなくなります。
電気防食
地下貯蔵タンクや地下埋設配管などの防食対象物に、継続して直流電流(防食電流)を流すことで電気的化学反応である腐食を防止するもの。
危険物の漏れを検知することができる常時監視装置
直径0.3ミリメートル以下の開口部(微細な穴)からの危険物の漏れを検知することができる、高精度液面計などをいいます。
注意事項
腐食のおそれの高い地下貯蔵タンクとして、危険物の漏れを早期に検知する設備(高精度液面計)を設置した場合であっても、その後、腐食のおそれの特に高い地下貯蔵タンクに該当した時点で、危険物の漏れを防止する措置であるFRP内面ライニングまたは電気防食が必要になります。
したがって、設置年数、予定使用年数を踏まえた対応を検討していただく必要があります。
このページが参考になったかをお聞かせください。
このページに関するお問い合わせ
消防本部予防課
〒279-0004 千葉県浦安市猫実一丁目19番22号
電話:047-304-0143 ファクス:047-355-7733
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。