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直接請求制度

ページID K1003197 更新日  令和3年4月7日  印刷

国政と同様に地方自治においても、地方公共団体の住民によって選挙された代表者により行政が行われる間接民主制が原則となっています。しかし、その運営が住民の意思に反して行われようとした場合に、間接民主制の欠点を補完し、住民自治の理想を実現するために、住民に直接自己の意思を表示する機会を与えるのが直接請求制度です。この権利を行使するためには、選挙人名簿登録者数の一定数以上の署名が必要となります。

直接請求制度の種類

地方自治法の定めている直接請求は、地方公共団体の議会の議員および長の選挙権を有する者が一定の連署をもって、その代表者から請求するもので、次のようなものがあります。

条例制定(改廃)の請求

必要署名数
選挙人名簿登録者数の50分の1以上
請求先
市長

監査の請求(事務監査請求)

必要署名数
選挙人名簿登録者数の50分の1以上
請求先
市監査委員

市議会の解散請求

必要署名数
選挙人名簿登録者数の3分の1以上
請求先
市選挙管理委員会

市議会議員及び市長の解職請求

必要署名数
選挙人名簿登録者数の3分の1以上
請求先
市選挙管理委員会

主要公務員(副市長・選管委員等)の解職請求

必要署名数
選挙人名簿登録者数の3分の1以上
請求先
市長

このほか、他の法律によって同種の制度が認められているものに、次のようなものがあります。

市町村合併協議会設置の請求

必要署名数
市議会議員及び市長の選挙権を有する者の50分の1以上
請求先
市長

市町村合併協議会設置協議を求める投票の請求

必要署名数
市議会議員及び市長の選挙権を有する者の6分の1以上
請求先
市選挙管理委員会

教育委員会の教育長・委員の解職請求

必要署名数
市長の選挙権を有する者の3分の1以上
請求先
市長

農業委員会委員の解任請求

必要署名数
農業委員会委員の選挙権を有する者の2分の1以上
請求先
市選挙管理委員会。ただし、現在本市には農業委員会がない。

海区漁業調整委員会委員の解職請求

必要署名数
海区漁業調整委員会委員の選挙権を有する者の3分の1以上
請求先
県選挙管理委員会。ただし、現在本市には委員の選挙権を有する者がいない。

土地改良区総代の解職請求

必要署名数
組合員総数の3分の1以上
請求先
市・県選挙管理委員会。ただし、現在本市には土地改良区がない。

直接請求における選挙管理委員会の役割

直接請求を行うには、選挙権を有する者の一定数以上の署名が必要です。選挙管理委員会は、この一定数について、毎年4回の定時登録(3月・6月・9月・12月実施)や選挙時登録(選挙期日の告示日の前日実施)の都度、選挙人名簿登録者数に基づいてその決定と告示を行っています。また、直接請求にかかる署名簿に記載された署名の有効・無効を審査・決定し、その結果を証明・告示したり、解散や解職の賛否投票の実施などの事務も選挙管理委員会が行います。

条例制定(改廃)の請求手続

地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から地方公共団体の長に対して、条例(地方税の賦課徴収、分担金、使用料および手数料の徴収に関するものは除く)の制定または改廃の請求をすることができます。

請求代表者証明書の交付申請

請求代表者は、請求の要旨など必要な事項を記載した請求書を添え、市長に対し、文書で請求代表者証明書の交付を申請します。

請求代表者の資格確認と請求代表者証明書の交付

交付申請があったときは、市長は直ちに市選挙管理委員会に対し、請求代表者が選挙人名簿に登録されている者か確認し、登録されている場合は、請求代表者に証明書を交付し、その旨を告示します。

署名の収集

請求代表者は、請求署名簿に1の請求書と2の請求代表者証明書(両方とも写しで可)を添付して、市の議会の議員と長の選挙権を有する者に対し、署名押印を求めます。署名の収集期間は、市町村の場合は1カ月以内となっています。期間外に収集された署名は無効となります。(注記:市内で国・県・市の議会議員または長の選挙が行われる場合は、署名の収集が禁止されますのでご注意ください(後述))。
請求代表者は、自ら署名を収集するほか、選挙権を有する者に委任して署名の収集をさせることもできます。

署名簿の提出

請求代表者は、署名簿を市選挙管理委員会に提出して、証明押印した者が選挙人名簿に登録されている者であることの証明を求めます。署名簿の提出は、署名収集期間の満了の日の翌日から、市町村の場合は5日以内です。

署名簿の審査

市選挙管理委員会は、署名簿を受理したときは、その日から20日以内に署名簿について審査し、署名の有効・無効を決定します(署名審査録を作成する)。また、署名押印した者の総数と有効署名総数を告示します。

署名簿の縦覧

市選挙管理委員会は、署名簿の証明が終了した翌日から7日間、指定した場所において、署名簿を関係人の縦覧に供します。署名に関し異議がある人は、縦覧期間中に異議の申し出をすることができます。異議の申し出を受けたとき、市選挙管理委員会はその日から14日以内にこれを決定し、修正、通知などの措置を行います。

署名簿の返付

市選挙管理委員会は、異議の申し出が全くないときやすべての異議を決定したときは、有効署名数を告示し、署名簿を請求代表者に返付します。返付の際には、署名簿の末尾に署名押印した者の総数、有効署名数や無効署名数を記載します。

本請求と受理

本請求は、署名簿の返付を受けた日またはその効力が確定した日から、市町村に関する請求の場合は5日以内に、条例制定(改廃)請求書に50分の1以上の有効署名があることを証明する書面と署名簿を添えて、市長に対し条例制定(改廃)請求をします。市長は、署名簿の署名数が法定署名数以上か、請求が期間内に提出されたかを審査し、受理するか否かを決定します。受理したときは、その旨を請求代表者に通知し、告示します。

本請求受理後の措置

市長は、請求を受理した日から20日以内に議会を召集し、意見を付して条例制定または改廃を議会に付議します。また、その結果を請求代表者に通知します。条例案が可決成立するか否決されるかは議会に委ねられ、最終的には有権者の投票によって決まるのではないところが、議員や長の解職(リコール)と異なる点です。

監査の請求手続

地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、地方公共団体の監査委員に対して、監査の請求(事務監査請求)をすることができます。なお、この事務監査請求の制度は、住民監査請求の制度とは異なるものです(住民監査請求は連署を必要としません。詳しくは市監査委員事務局へお問い合わせください)。

請求代表者証明書の交付申請から本請求まで

請求代表者証明書の交付申請から本請求までの手続きの流れは、次の点を除き、条例制定(改廃)の請求手続と全く同じです。

  • 請求代表者証明書の交付申請は、地方公共団体の監査委員に対して行います。
  • 請求代表者証明書の資格の照会確認及び証明書の交付は、監査委員が行います。
  • 署名収集委任届け出は、監査委員及び選挙管理委員会に届け出ることになります。
  • 本請求は、監査委員に対して行います。また、受理の決定もその旨の通知、告示も監査委員が行います。

本請求受理後の措置

監査委員は、監査の請求があったときは、直ちに請求に係わる事項につき監査し、その結果を請求代表者に通知し、告示することになります。

議会の解散請求手続

地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、その総数の3分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、地方公共団体の選挙管理委員会に対して、議会の解散の請求をすることができます。
ただし、議会の解散請求は、当該議会議員の一般選挙または議会の解散請求に基づく解散の賛否投票が行われた日から1年間は行うことができません。

請求代表者証明書の交付申請から本請求まで

請求代表者証明書の交付申請から本請求までの手続きの流れは、次の点を除き、条例制定(改廃)の請求手続と全く同じです。

  • 請求代表者証明書の交付申請は、地方公共団体の選挙管理委員会に対して行います。
  • 請求代表者証明書の資格の照会確認及び証明書の交付は、選挙管理委員会が行います。
  • 署名収集委任届け出は、選挙管理委員会に届け出ることになります。
  • 本請求は、選挙管理委員会に対して行います。また、受理の決定もその旨の通知、告示も選挙管理委員会が行います。

本請求受理後の措置

選挙管理委員会は、本請求を受理したときは、解散の賛否投票に先立って、20日以内に議会から弁明書を徴し、請求の要旨と併せて、解散の賛否投票の投票期日の告示とともに告示します。解散の賛否投票は、本請求の受理の告示日から60日以内に、原則として公職選挙法の規定を準用して行われます。また、弁明書は、投票所の入口などにも掲示されます。
解散の賛否投票において過半数の賛成があった場合、議会は解散され、公職選挙法第33条第2項の規定により、40日以内に一般選挙が行われることになります。

議会の議員及び長の解職請求手続

地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、その総数の3分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、地方公共団体の選挙管理委員会に対して、当該所属の選挙区の議会の議員または長の解職(リコール)の請求をすることができます。
ただし、この解職請求は、当該議員または長の就職の日から1年間及び解職の賛否投票の日から1年間は行うことができません(無投票当選の場合は除きます)。

請求代表者証明書の交付申請から本請求まで

請求代表者証明書の交付申請から本請求までの手続きの流れは、議会の解散請求手続と全く同じです。

本請求受理後の措置

解職の賛否投票は、本請求の受理の告示日から60日以内に、原則として公職選挙法の規定を準用して行います。解職の賛否投票において過半数の賛成があった場合、議会の議員または長は職を失うことになります。長が失職した場合は、公職選挙法第34条第1項の規定により、通常その後50日以内に選挙が行われます。議員の場合は、欠員が一定数に達した場合や長の選挙が行われる際に補欠選挙が行われます。

主要公務員の解職請求手続

地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、その総数の3分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、地方公共団体の長に対して、副知事、副市町村長、選挙管理委員、監査委員、公安委員会の委員の解職の請求をすることができます。

ただしこの解職請求は、副知事または副市町村長の場合はその就職の日または解職請求に関する議会の議決の日から1年間、選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員の場合はその就職の日または解職請求に関する議会の議決の日から6カ月間は行うことができません。

なお、この解職請求は賛否投票に付されるものではなく、長が議会に付議し、議員の3分の2以上の者の出席により、その4分の3以上の同意があったときに解職となります。

請求代表者証明書の交付申請から本請求まで

請求代表者証明書の交付申請から本請求までの手続きの流れは、条例の制定(改廃)請求手続と全く同じです。

本請求受理後の措置

市長は、本請求を受理したときはこれを議会に付議し、その結果を請求代表者や被解職請求者である関係者に通知します。

署名収集の禁止期間

衆議院議員・参議院議員・地方公共団体の議会議員や長の各選挙が行われるとき、当該選挙が行われる区域内では一定の期間、署名の収集を行うことができなくなります(収集中の場合はその間、一時中断・延期されます)。

  • 任期満了による選挙
    任期満了の日前60日に当たる日から選挙期日までの間(統一地方選挙の場合は、選挙期日前60日に当たる日から選挙期日まで)
  • 衆議院の解散による総選挙
    解散の日の翌日から選挙期日までの間
  • 市町村の設置による議会議員または長の選挙
    市町村が設置された日(総務大臣の告示があった日)から選挙期日までの間
  • 市町村議会議員の増員選挙
    増員に関する議員定数の条例が施行された日から選挙期日までの間
  • そのほかの選挙(補欠選挙、再選挙、解散選挙など)
    選挙管理委員会が署名を求めることができなくなる旨の告示をした日の翌日から選挙期日までの間

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