浦安市障がい者差別解消推進計画(令和6年度~令和8年度) 令和6年8月5日 福祉部障がい事業課 Ⅰ 総論  浦安市障がい者差別解消推進計画(以下「本計画」という。)は、障がいを理由とする差別の解消を推進することで、全ての市民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に寄与することを目的とした「浦安市障がいを理由とする差別の解消の推進に関する条例」(平成28年条例第16号。以下「条例」という。)第8条に基づき、障がいを理由とする差別の解消の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するために、市長が策定する計画である。 1 計画期間 「浦安市障がい者福祉計画」(3年ごとに見直し)の策定に合わせた計画期間とし、様々な状況の変化により見直しの必要が生じた場合は、適宜、計画の見直しを行うものとする。 2 障がいを理由とする差別の解消を推進するための体制整備等 本市では、市をはじめ、市民、事業者と市全体で障がいを理由とする差別の解消を推進するため、条例第13条に基づき「浦安市高齢者・障がい者権利擁護協議会」(以下「協議会」)を設置し、本計画の策定・変更、本計画に基づく取組の実施状況・目標の達成状況の点検・評価等について協議を行うものとする。 3 障がいを理由とする差別の解消の推進に向けた目標及び取組内容   条例第4条並びに条例第5条に基づき、障がいを理由とする差別の解消の推進に関する施策の実施にあたり、目標を設定し、目標の達成に向け取組を実施する。   なお、目標の設定にあたっては、条例第3条の基本理念に基づくことを基本とする。 ≪基本理念≫ 1 障がいを理由とする差別を解消するための取組は、全ての障がいのある人が、障がいを理由として差別を受けず、障がいのない人と等しく個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを前提として、行われなければならない。 2 障がいを理由とする差別を解消するための取組は、障がいを理由とする差別の多くが障がいのある人に対する誤解、偏見その他の理解の不足から生じていることを踏まえ、障がいのある人に対する理解を広げる取組と一体のものとして、行われなければならない。 3 障がいを理由とする差別を解消するための取組は、障がいのある人に対する虐待の多くが障がいのある人に対する誤解、偏見その他の理解の不足から生じていることを踏まえ、障がいのある人に対する虐待を防止する取組と一体のものとして、行われなければならない。 Ⅱ 目標及び取組内容  1 障がいの特性と障がいのある人への理解を広げる取組 目標:市の職員、市民、事業者に対する啓発活動を通じて、障がいの特性と障がいのある人への理解を深めてもらい、障がいを理由とする差別の解消を推進する。 <取組の方向性> ①広報紙等による理解の促進 広報紙やパンフレット、「こころのバリアフリーハンドブック」などを通じて、障がいの特性と障がいのある人への理解と関心を深める。 ②理解と協力の呼びかけ 各種イベントや広報紙等を通して、障がいの特性や障がいのある人への理解と関心を深めるための情報の提供を行う。 特に、令和6年4月に施行された「障がいを理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」の改正により、民間事業者にも合理的配慮の提供が義務付けられたことから、民間事業者に向けた周知・啓発活動を強化する。 ③啓発活動の推進 小学生等に対する「こころのバリアフリーハンドブック」の配布を促進するとともに、さまざまな障がいの体験などを通して、障がいの特性や障がいのある人への理解を広げる啓発事業を推進する。 また、各種講座や講師派遣等を通して、障がいの特性や障がいのある人への理解と関心を深めるための情報の提供を行う。 ④職員の研修機会の充実 障がいを理由とする差別の解消の推進に関して、職員が適切に対応することができるよう、条例第10条に基づき市長部局、教育委員会、消防本部で職員対応要領を職員に周知する。 また、新規採用職員並びに新たに監督者となった職員への研修を実施するとともに、多くの職員へ障がいの特性や障がいのある人への理解と関心を深めるための機会として研修への参加を呼びかける。   <令和6年度 取組計画> 広報紙等による理解の促進 障がいの特性と障がいのある人への理解と関心を深めるための啓発用の冊子「こころのバリアフリーハンドブック」は、これまで市内小学校の福祉体験教室等の機会や社会福祉協議会や協働推進課のボランティア説明会等の機会を中心に配布してきた。こうした既存の取組を引き続き実施しつつ、子どもからお年寄りまで、多くの方に活用いただける啓発冊子として、より効果的な活用方法を検討していく。 また、12月3日~9日の「障害者週間」に合わせ、広報うらやす12月1日号で、広く市民に障がいの特性と障がいのある人への理解と関心を深めていただけるよう、効果的な紙面づくりを行う他、パネル展の開催等により、様々な方に対しても広く周知啓発を図る。 1 庁内教育担当部署等と協議を行い、「こころのバリアフリーハンドブック」の効果的な配布方法を始めとした障がい理解促進のための周知啓発活動について検討を行う。 2 12月1日号の広報紙面を検討する。 啓発活動の推進 広く市民に障がいの特性と障がいのある人への理解と関心を深めてもらうため、また条例の周知を目的に、令和2年度から令和5年度にわたり障がい者週間の期間に、市庁舎や浦安市中央図書館にてパネル展を開催したことに加え、市庁舎1階にてウィンドウシートによる啓発活動を実施してきた。 また、市民及び事業者、企業等に対して、障がいの特性と障がいのある人への理解と関心を深めてもらうための研修や講演会等を実施してきた。 令和6年度以降の周知イベントや講演会の開催にあたっては、4月に施行された障害者差別解消法の改正を踏まえた活動を効果的に実施していくことを検討する。   1 障がい理解の促進に向けた周知イベントを実施する。 2 市民・事業者等へ啓発を目的とした講演会を実施する。 3 ニーズに応じて、講師派遣を実施する。   職員の研修機会の充実 合理的配慮の提供が義務付けられている市職員等に対しては、より一層の自覚を促し、職員対応要領を遵守してもらうために、研修機会の充実を図る。 1 職員対応要領に基づき、新規採用職員及び新たに監督者となった職員への研修を実施する。 2 消防職員及び教職員へ向けた研修を実施する。 3 一般職員へ向けた研修を実施する。 2 相談及び紛争の防止等のための体制の整備 目標:障がいのある人及びその家族等関係者からの障がいを理由とする差別に関する相談に的確に応じることができる体制を整備し、紛争を防止し課題の解決を図る。 <取組の方向性> ①障がい者権利擁護センター事業の充実 条例に基づき、障がい者虐待と障がいを理由とする差別について一体的な解決を図る相談窓口として「障がい者権利擁護センター」を設置・運営し、迅速かつ適切な対応を行う。 また、広く市民や事業者に「障がい者権利擁護センター」を周知し、障がい者虐待の防止や障がいを理由とする差別の解消に努める。 ②権利擁護推進のためのネットワークの強化 協議会や実務者会議を中心に、関係機関での連携を図り横断的・協力的なネットワークを構築する。 また、障がいを理由とする差別についての対応実績が豊富にある、「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」に基づく相談員である広域専門指導員と地域相談員との連携を強化する。 ③行政サ-ビスにおける配慮の推進 国の基本指針や千葉県の「障害のある人に対する情報保障のためのガイドライン」をもとに、窓口等における配慮を充実する。 また、職員対応要領に基づき、市主催の会議や講座、催し等において、障がいの特性に配慮した合理的配慮の提供を推進する。  ④合理的配慮の提供の推進 行政や事業者等が連携を図り、障がいのある人が、自分に合った支援を受けられるよう、合理的配慮の提供を推進する。     <令和6年度 取組計画> 障がい者権利擁護センター事業の充実 条例に基づき、障がい者虐待と障がいを理由とする差別について一体的な解決を図る相談 窓口として、障がい事業課内に「障がい者権利擁護センター(以下「センター」)」を設置し、専従の相談員を配置し相談を受け付ける。 令和5年3月に障がいのある方を対象として実施した「障がい福祉に関するアンケート調査」では権利擁護センターの認知率が18.7(前回は17.0%)であり、令和2年3月に実施したアンケートと比して認知度は増したものの、認知度は引き続き向上させる必要がある。 1 条例及びセンターの認知度を向上させるため広報紙やイベント、講演会にて広報・周知活動を実施する。 2 新規手帳所持者(転入者を含む)へのセンター案内リーフレットの配布を行う。                                 権利擁護推進のためのネットワークの強化 障がい者虐待と障がいを理由とする差別について適切な対応・解決を図るには関係機関同士の連携は欠かせない。協議会や実務者会議、研修会を通じて、関係機関による支援体制の強化と情報共有等を行い、実際の支援の際は丁寧なつなぎに努め、権利擁護推進のためのネットワークの強化を図る。 また、千葉県及び広域専門指導員、地域相談員と連携を図り、相談事例の蓄積・共有を行うことで、相談支援体制の強化を図る。 1 協議会、実務者会議、関係機関等との研修会を実施する。 2 広域専門指導員と連携し、地域相談員とセンター相談員との合同研修会を開催する。 行政サ-ビスにおける配慮の推進 障害者差別解消法及び平成28年の条例施行以降で蓄積された行政サービスにおける合理的配慮に関する相談事例を参考に、合理的配慮の提供の推進が図られるよう、市職員へ具体的な対応例示や必要な情報提供等を行う。 1 市職員等向け研修内で、具体的な配慮方法に関する情報を提供する。 2 全庁的な合理的配慮の提供に関する事例収集を行い、事例共有の仕組みを構築する。     合理的配慮の提供の推進 1 合理的配慮の提供の推進するための先進的な取り組み事例を研究し、自立支援協議会等で共有し、本市の今後の取り組みの参考とする。 参考資料  令和5年3月実施「障がい福祉に関するアンケート調査」結果より 一部抜粋 (2,000人配布 1,213人回答 回答率60.1%)  障がい者差別に関する法律及び条例について (1)市の「障がい者権利擁護センター」の認知 問24 浦安市では、障がい者虐待や障がいを理由とする差別に関する相談や通報を受けるため「障がい者権利擁護センター」を設置していますが、あなたは、「障がい者権利擁護センター」について知っていたり、利用したことがありますか。(1つに○) 市の障がい者権利擁護センターの利用経験は、「利用したことがある」が1.1%、「知っているが、利用したことはない」が18.7%となり、両者をあわせた《認知》が19.8%となっている。一方、「まったく知らない」は73.8%と多くなっている。 障がい種別ごとに見ると、障がい種別に関わらず「まったく知らない」が 最も多く 、いずれも 70% 以上となっています。 (2)過去3年間の差別等の経験 問25 あなたは過去3年間の間に障がいがあるために差別を受けたり、いやな思いをしたことがありますか。(1つに○) 過去3年間の差別等の経験は、「よくある」が3.4%、「時々ある」が13.2%となり、両者をあわせた《ある》は16.6%となっている。一方、「まったくない」(34.2%)と「ほとんどない」(41.3%)をあわせた《ない》が75.5%となっている。 障がい種別ごとに見ると、精神障がい(発達障がい・高次脳機能障がいを含む)診断を受けている方では「ある」(「よくある」及び「時々ある」の合計。)が41.5%と他の障がい種別よりも多く、一方で、身体障害者手帳所持者及び難病(特定疾患)の認定を受けている方では、差別を受けた経験が「ない」(「ほとんどない」及び「まったくない」の合計。)がそれぞれ81.7%、80.7%と他の障がい種別よりも多くなっています。 (1)障がいを理由に差別されていると感じるとき 【問25で「よくある」と「時々ある」と答えた方におたずねします。】 問25-1 あなたは、どのようなときに、障がいがあるために差別を受けたり、いやな思いをしましたか。(あてはまるものすべてに○) 障がいを理由に差別されていると感じるときは、「公共施設や交通機関を利用するとき」が45.3%で最も多く、以下、「職場や学校にいるとき」が28.9%、「仕事を探すとき」が23.9%で続いている。 また、「その他」では、「日常生活で他者とかかわるとき」及び「家族や友人といるとき」などの回答が挙げられています。 障がい種別ごとに見ると、難病(特定疾病)の認定を除いた障がい種別では「公共施設や交通機関を利用するとき」が最も多く、いずれも40%以上となっています。 また、難病(特定疾病)の認定を受けている方は「仕事を探すとき」が30.0%と最も多くなっています。